絶景カフェ
FINAL FANTASY XIV ゲーム内において営むカフェのことなどつれづれ
破壊神のお部屋
スタッフのラキさんが綴るユーモアあふれる店員たちの短文エピソード
絶景カフェの一日
~こもれび開店時間
丁寧に手入れされた植物が生き生きと生い茂り、やわらかな日差しが差し込む和を感じる店内で、いそいそと動き回る女性の姿。
「テーブルも拭いたし、飲み物も用意した、あとはっと・・・」
頬に人差し指をあて首をかしげ、うーん・・・と考えるような仕草をする。
白い羽のような角を携え、やわらかな雰囲気をもつアウラがここの店主、カムシン。
「もうすぐ開店なのにあと2人まだ来てないんだけど知らなーい?
このままだとゆっきーさん忙しくて禿げ散らかしちゃうよねー?」
と近くのヒューランの女性に声をかける店主。
「は、は、はげちゃうわ!!!でも、確かにあの2人遅いですねー
どうしたんでしょ?」
と鋭いツッコミを入れつつも会話を続けるゆっきーと呼ばれた女性。彼女の名はシェイラ。ここのツッコミ担当。ゆっきーというのはあだ名だそうだ。
「ヒスイなんか知らなーい?」
と隣にいる相方に声をかける。
「んー、お散歩ツアーの下見に行くって言ってたような・・・でも遅いですね・・・迷ってないといいのですが・・・」
青い髪にスっと後ろに伸びた白い角のアウラが答える。彼女の名はヒスイ。担当は接客・癒し。凛としているが、物腰の柔らかな雰囲気が滲み出ている。
「あっ!そういえば!」
急に思い出したように、奥で皿を洗っていたララが声を上げた。彼の名はレンカ。この店の皿洗い担当だ。しばしば薬の力で姿を変えるがどうやら今はララフェルのようだ。
「あの人は少し前にアジムで見かけましたよ! 採掘してるようでしたが動いてなさそうでした・・・寝落ちしてなきゃいいのですが・・・」
「ところで、いくら洗ってもお皿なくならないんですがどうなってるんでしょ?」
大量のお皿を洗いながら、まだ到着していない者の心配をしつつも、どこかあきれたような顔つきでレンカがカムシンに言う。
「はぁ・・・また迷子と寝落ちか・・・あの子達はいつもいつも・・・」
しれっとレンカの不満を聞き流しつつ、カムシンは頭を抱える。
すると、店の入口が勢いよく開き、慌てた様子で小さな姿が現れる。
「ぴゃー!お散歩の下見に行ってたらちょっと迷っちゃって遅れたです><」
うっすらと目に涙をうかべながら、皆に謝るララフェル。彼の名はルカ。担当はコック・お散歩ツアーガイド。男の子なのだが、カワイイ格好をしているのでどこか中性的な雰囲気が漂う。
「まったくもー。それで下見はバッチリできた?」
ルカに問いかけるカムシン。
「バッチリできたです!もう迷子にならないです!(๑•̀ㅂ•́)و✧」
と自信満々に答えるルカ。さっきまで迷子になって涙目だったのが嘘のような自信に満ち溢れた表情をする。
「あれ!?いつのまに!?・・・てか、来てたんなら言ってくださいよ!ほら、ヒスイも膝ララされて喜んでないで!」
突然、とても驚いたような声を上げながらも、目にした光景にツッコミを入れるシェイラに皆の視線が集まる。
彼女の視線の先には、オープン前のミーティングで座っていたヒスイの膝の上に先程までなかった小さな姿。座られているヒスイはその状況に満足そうな表情で撮影をしている。
少し眠たそうな表情の彼女がやはり眠たそうに目を擦りながら声を出す。
「おはよー・・・アジムで伝説掘ってたら寝てたー・・・」
「まったくもーほんとラキさんは・・・お店の間はちゃんと起きててよ?」
呆れ果てた表情のカムシンに言われる彼女の名はラキラ。担当は寝落ち・破壊。小さなララフェルの姿だが、各地でよく寝落ちして動かない姿を目撃されているそうだ。
「よし!ちょっと眠気覚ましにフレの家を破壊してくる!」
そう言ってラキラはその小さな体には似つかわしくない程の大きな斧を背負い、店の入口へ走っていく。
「えぇっ!?ラキさん!?
もうすぐお店オープンしますよー!・・・・・・あぁ、行っちゃった・・・」
シェイラの必死の制止も届かず、ラキラは店を出ていく。
「ほんとラキさんったら・・・まぁそのうち戻ってくるでしょ。」
呆れながらもどことなしか微笑んだ表情でラキラを見送ったカムシンが言う。
「さっ、いよいよオープンの時間!
今日はどんなお客様が来るかな?
カフェとお散歩ツアー、みんなよろしくね!」
全員に向けてそう言いながら、期待に満ち溢れた表情のカムシンが店の札を「CLOSE」から「OPEN」へと変え、外で待っていたお客様を招き入れた。
そう、ここはやわらかな店の雰囲気と個性的な店員、名物のお散歩ツアーが味わえる場所。
「絶景カフェ(2号店)」
気になる方は足を運んでみてはいかがですか?